一般社団法人スポーツ・コンプライアンス教育振興機構

スポコン随想

2022.10.31

♯15「上柳敏郎副代表理事を悼む」

 当機構の副代表理事であった上柳敏郎弁護士(35期、第一東京弁護士会所属、東京駿河台法律事務所)は、療養中でしたが、去る9月20日(火)午前10時44分、逝去いたしました(享年65)。
 2017(平成29)年4月の当機構発足以来、副代表理事を務めていただき、国内外の要職を多数務めているにも関わらず、律儀に業務執行理事会、理事会、社員総会等の会議やスポーツ・コンプライアンス・オフィサー(SCO)養成講習会、認定SCO事例検討会、スポーツ庁委託事業の成果報告会等の事業に参画し、多大な貢献をしていただきました。
 いつも穏やかな笑顔を絶やさず、冷静かつ公正な判断と発言により発足当初の当機構の困難な事態にも適切な解決策を見出して、今日の落ち着いた運営への道を拓いていただきました。
 京都出身で、洛星高等学校時代には、ハンドボール部に所属して、「かなりラフなプレイもしていました。」と、嬉しそうに語っていたことを思い出します。また、母校の東京大学構内で行った講習会の講義中に、ご自身でジョークを発した直後、舞台上でズッコケる素振りを見せて場を和ませたりして、関西人らしい姿もありました。
 講義・講演で強調されていた「不祥事が起きた後の対応」に関する「遅れず、隠さず、ごまかさず」の基本的姿勢と「公正・公平・迅速・透明」を旨として対処すべきという教えは当機構の役員、スポーツ・コンプライアン・オフィサーの中に広くいきわたっていることと思います。
 

また、東大での講演会終了後に、スタッフと共に黙々とごみを回収整理して、ゴミ置き場に幾度も運んでいた光景は胸に刻まれています。
 当機構も、子どもで言えば小学1年生から6年生を経て、間もなく7年目、中学生の時代を迎えようとしています。
 組織・体制をよりよい形にさらに改善し、持続的発展する運営に改善・発展すべく、理事・監事、そして全国のスポーツ・コンプライアンス・オフィサー、賛助会員、支援協力者の皆さんと共に尽力して参ります。それが故人の恩に報いることになることと確信しています。
 「つひに行く 道とはかねて 聞きしかど 昨日今日とは 思はざりしを」(在原業平『古今和歌集』)合掌。

執筆:武藤芳照

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