本機構が発足したのは、2017年4月です。
ようやく6年度目を終えて、この4月から7年度目を迎えます。小学生が6年間の教育課程終えて、間もなく中学校に進学し、思春期を迎えるような、まだまだ成長途上の機構です。
この6年間、健全なスポーツの普及・振興を願って、「スポ根(スポーツ+根性)」から「スポコン(スポーツ+コンプライアンス)」を目標にして、教育・研修事業や教育資材の企画・制作事業等を、理事らが協働して手掛けてきました。
とりわけ、「スポーツ・コンプライアンス・オフィサー(SCOと略)」の育成は、当機構の最も大きく重要な事業です。
中国の管子の言葉に、「十年樹木 百年樹人」というものがあります。
「一年で実りを得るならば、穀物を植える 十年で実りを得るならば、樹を植える 百年で実りを得るならば、良き人財を育成する」という意味です。
SCOの育成を通して、全国の各地域、各スポーツ団体・組織・クラブ、学校運動部活動、職場等で、コンプライアンス教育の担い手の輪を広げ、それぞれの立場で、スポーツの価値やコンプライアンスの大切さを伝え続けていただくことが、ひいては我が国の健全なスポーツの普及・振興に結びつけられると確信しています。
IOC(国際オリンピック委員会)が2014年11月に公表した『オリンピック・アジェンダ,20+20の提言』の中、「提言31」には「コンプライアンス・オフィサー」の名称が明示されています。その役割は、コンプライアンスについて及び、その動向について助言することと記載されています。
当機構の「スポーツ・コンプライアンス・オフィサー」の名称は、機構の発足時に、特許庁に正式申請して、登録された「商標」であり、名称独占の手続きを経ています。
「名は体を表す」という言葉通り、健全なスポーツの発展のために、コンプライアンスの普及のために(警官のオフィサーのように取り締まるのではなく、あくまで教育という手段による)、一人でも多くのSCOが育成されるのを強く希望しています。
先般の第5回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)での日本代表「侍ジャパン」の大活躍と大谷翔平選手らの勇姿に、日本中が感動・感激すると共に、彼らの一挙手一投足にハラハラ・ドキドキさせてもらいました。「野球は面白い」「スポーツは素晴らしい」と改めて感に入った人々や「私も僕も頑張りたい!」と思った子どもらも多くいたことでしょう。
「スポーツは人生の縮図」と言われるように、喜怒哀楽を経験すると共に、いつも誰かに支えられて今があることを認識させられます。
このように社会にとって大切な「スポーツが健康であるように」スポコン機構は、これからもコツコツと身の丈あった活動を続けていきます。
私事で恐縮ですが、この3月末をもって、武藤はスポコン機構代表理事を退任いたしまた。機構の発足以来、数えきれないほど数多くの人々の支援と協力によって、6年間、この大役を務めて参りました。いろいろご迷惑やら、ご心配をおかけしたことも少なくないかと思いますが、改めて感謝申し上げます。
幸い、スポーツ・コンプライアンス・オフィサーの資格を有する10名の方々に、新しい理事(9名)・監事(1名)に加わっていただくことになり、強力な新体制が組まれようとしています。「良き人財を育成する」ことを実りの一つとして達成できたことを嬉しく思います。
また、事務局で献身的に、このホームページの管理をはじめとする多彩で膨大な実務をこなして、スポコン機構を支え続けてくれた加賀原さんに深く感謝して、この私の最後のコラムの筆を置くことにします。